従わない奴隷
第12章 ユウリと今野
テーブルに
肘をついたまま
片方の手を
ゆっくりと
ユウリにのばし
ユウリの
唇だけを
みつめたまま
俺は
そっと
人差し指で
ユウリの
唇に触れた
「かわいそうに・・」
「・・・・・」
「こんな赤くなって」
「・・・・・」
「・・・・・」
「・・・・・」
「あぁ・・わりぃ
ごめんな
びっくりしたな(苦笑)」
ユウリは
首まで真っ赤にして
まるで
呼吸も止まったみたいに
固まっていた
ごめん
我慢できなかった
「ユウリ?」
「・・・はい」
「大丈夫か?」
「・・・はい・・」
「ごめんな?
もう・・
しねぇから」
ユウリは
黙ったまま
首をふって
クッションを
抱きしめた
なんで
言っちゃったんだ?
もう
しねぇ・・・なんて