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月琴~つきのこと~

第4章 第二話 【月琴~つきのこと~】 二

 寄合の席で若狭屋の倅に痛烈な皮肉を浴びせられ、嘉平太は丁度手許にあった盃を掴むと、やにわに相手の頭から酒を浴びせかけた。
―手前ェ、何しやがる!
 いきりたった相手の男が掴みかかってきたが、嘉平太は難なく右手をねじり上げ、その場に組み伏せた。その中(うち)に他の呉服商が集まり、若狭屋の倅を取り押さえ、事は終わった。

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