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月琴~つきのこと~

第4章 第二話 【月琴~つきのこと~】 二

 だが、もうこれ以上、自分の心を偽るような今の暮らしには耐えられそうになかった。
「今もあなたが姉のことをお忘れでないのはよく存じております」
「妙乃、それは違う!」
 嘉平太が言いかけるのに、妙乃は哀しげに微笑んで首を振った。

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