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月琴~つきのこと~

第2章 第一話【宵の月】 二

「馬鹿者ッ。そんなことを言っているのではない。よしんば治助とお前が真実、深い仲になっていないとしても、お前が生娘だと世間が信じてくれると思っているのか。お前は既に許婚者を裏切り、他の男に走った、ふしだらな娘だという烙印を押されたんだぞ」
 火球が炸裂したような、頬が焼けつくような感覚があり、小文は思わず頬を押さえて言った。

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