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月琴~つきのこと~

第2章 第一話【宵の月】 二

 父の問いに、小文は首を振って、きっぱりと言った。
「治助さんと私はまだ夫婦(めおと)になってはおりません。せめて祝言を挙げるまではと治助さんが―」
 そこまで言った時、惣右衛門の平手が小文の頬を打った。

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