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月琴~つきのこと~

第2章 第一話【宵の月】 二

 その幼なじみは洛南の裏店に一人住まいをしている宮大工で吾助という名だそうだ。おさよはひそかに小文の書いた文を持って、吾助という男を訪ねた。そして、治助からの返事を携えて戻り、小文に渡した。幾度も行き来しては怪しまれる。文のやり取りは一度だけにした。

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