テキストサイズ

月琴~つきのこと~

第2章 第一話【宵の月】 二

 自分の棄ててゆくものは何と大きく重いものだろう。自分はこの世に生きてゆく限り、その重みを一生背負ってゆかなければならない。自分の犯した罪を忘れてはならない。
 だが、それだけの罪を犯したとしても、治助と一緒にいたい。今はただ、治助に逢いたいと、ただそれだけを小文は願った。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ