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猫科男子との生活 。

第10章 Q,この際、飼い猫を2匹にした方がいいのでしょうか?






夢斗「お、れが…かってにやったことですから… 」



辛そうに起き上がりながら、琉月の迫力に気圧された私の代わりに言い放つ夢斗


はぁはぁと言った息が言葉を途切れ途切れにする



夢斗「ると、さんは、幸せですね…
おれがいても、漣、ずっとるとさんの話してましたよ…」





力なく儚げに笑うとベッドから降りようとする



漣「夢斗…っ」




"動かないで"と言おうとしたのだが、夢斗の視線が



『これ以上何も言うな』



こう物語っているような気がして





でも、ふらふらと歩く夢斗は途中で琉月の肩につかまり辛そうに咳を吐いた




漣「…琉月!! こんな状態の夢斗、放っとけない…」





琉月も流石に驚いたのか、自分の肩につかまる夢斗を驚いた顔で見つめ私の言葉を聞いてくれた




しばらくの沈黙のあとはぁと深い溜息を吐き




琉月「じゃあ、送っていけばいいでしょ」







漣「…へ?」






琉月「漣の独占タイムはおしまい、俺が夢斗くんの家まで送ってく」




漣「…」




そういえば、今まだ琉月はメガネ着用中だ
なのだから、嫉妬なんてもってのほかなのだろう






琉月「夢斗くんの家って結構近いよね? 確か…」




そうか、結構この二人は仲良しなのだ。

家の場所くらいは知っているだろう


でも、家に誰かいるのかな?


いや、ひとり暮らし~とか言ってたような気がする



それはそれで心配なのだが。





琉月「…え?」




琉月が聞いたこともないような驚きの声を上げる



きっと夢斗の答えに驚いたのだろう



夢斗「−−…いま、家なくて…っ」



琉月「ちょ、ちょっと待ってよ、こないだいったときは…」




夢斗「急遽撤去になっちゃって…今、住まい見つかってなくて…ネットカフェに住んでる状態…」




辛そうにと息を吐きながら自分の状況を淡々と説明する夢斗



どうやら、"ほんとうにつらいのは"というのは



熱のことではなさそうだ

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