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【夢小説】イケメン王宮 ユーリ

第1章 嫉妬

同じくその頃……

ユーリは自分の部屋へと戻ってきていた。

上着を脱ぐと椅子に投げ掛け
タイを外し、首もとを緩めた。


「……」


そしてベッドの中央へと座り
ゆっくりと天井を仰ぐ。

深いため息をこぼすと
掠れた声で呟いた。


「……あー…危なかったぁ……」

「あのまま月花様と一緒に居たら…
俺……」


(自分を止めることが出来なくて……)

(月花様を…抱いていたかもしれない…)


ふうっと息を吐くと
窓から入る月明かりに反射して
ピアスが煌めいた。


「……」


身体を起こし右手でピアスに触れると
“あの人”の事が脳裏によぎる。


「ウィスタリアに居るのも…
そろそろ潮時なのかもね……」


僅かに目を細めてユーリが呟いた。


(このまま居たら…
離れられなくなるかも知れないから…)




胸が締め付けられるような、
そんな痛みを感じながら、
ユーリは窓から見える遠くの星空を
ただじっと眺めていた……。







第1章 嫉妬 END 


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