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【夢小説】イケメン王宮 ユーリ

第2章 葛藤



「…ん」

目を開けると
見知らぬ天井がそこにあった。


(あれ……ここは……)


ユーリは自分が
ベッドに横たわっていることに気付く。


「え……」


自分の置かれている状況が
理解出来ないでいると……


『ユーリ…?』


囁くような声で名前を呼ばれ、
声のする方へと顔を傾けた。


「……月花様」


ベッド横の椅子に座り、
心配そうに自分を見つめている
月花と目が合った。

慌てて身体を起こそうとすると、
ずきりと頭が痛み、目の前が歪む。


「……っ」

『熱が高いから無理しないで、
横になってて』


月花に制されて
ユーリは再び身体をベッドに横たえた。


「俺…なんでここに……」

『書庫で当然倒れたの…。
お医者さまに診ていただいたら、
過労による発熱って仰ってたよ』

「過労…?」

『熱が下がるまで安静にしてて』

「……うん」

(ここ最近、ろくに寝てなかったからかな…)


ユーリの手をぎゅっと握りながら
心配そうに顔を覗きこむ月花に
ユーリは少し微笑んで見せた。


(……そう言えば)

ふと何かに気付いたように
ユーリが口を開く。


「月花様、
俺…寝言とか言ってなかった?」

『え?…ううん、言ってないけど……』

「……そっか」


(夢をみていた気がするんだけど…)

(覚えてないや)

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