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【夢小説】イケメン王宮 ユーリ

第2章 葛藤

その日、ユーリはほとんどの時間を
ベッドの上で過ごした。

月花が無理をさせまいと
ユーリの身の回りの世話を
すべて引き受けてくれていた。

月花の世話のかいもあって、
ユーリの熱は夜にはほぼ下がっていた。


『良かった……熱下がってる』


ユーリの額に手をあて、
熱を確かめた月花は
ほっとしたように口元に笑みを浮かべた。


「ありがとう、月花様のおかげだよ」


ベッドの上で上半身を起こして座るユーリは
月花を見上げるとにっこりと笑った。


「俺は明日から仕事に戻るから。
月花様は明日の休暇はゆっくり休んでよね」


ユーリの言葉に
月花は首を横に振って答える。


『熱は下がってもまだ無理しちゃ駄目だよ。
明日も休んだ方が……』


じっとユーリの瞳を見つめて話す月花に
ユーリの胸がざわめく。

月花の手首をそっと掴み、
上目遣いで月花を見上げた。


「……わかってないなぁ、月花様」

『え…』


そう言ってユーリは
掴んだ手首を手前にひくと
月花の身体をベッドへ押し倒した。


『……っ』


そして月花を見下ろすと、
月花の太腿に手を這わす。


『…っユーリ?』

「熱の下がった俺が
こんな可愛い格好の月花様と一緒に居たら
どうなっちゃうと思う?」

『え……』

「本当に月花様を食べちゃうかも」


ユーリの言葉に
月花の顔が真っ赤に染まる。


『そんな……』

「俺だって男なんだよ?
ずっと一緒にいたらどうなるか…
意味わかるよね?」


ユーリの指が、
ゆっくりと月花の太腿を撫でる。


『ユーリ…っ』


ぴくりと身体を震わせて
月花はユーリの腕を握りしめた。


「……わかったでしょ?
狼に食べられちゃう前に
可愛いメイドさんはお姫様に戻らなきゃね」


そう言うとユーリは眉を少し下げ、
どこか悲しげに微笑んだ。

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