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【夢小説】イケメン王宮 ユーリ

第2章 葛藤

『ユーリのお母さんが作ってくれたの…?』

「うん」


そう言ってまたひとくち口に運ぶ。


『これはね、
ウィスタリアの城下に伝わる料理なの』

「ウィスタリアの?」

『子供の時に熱を出すと、
お母さんがこれを作ってくれて。
昨日の夜、ユーリの食欲が無さそうだったから、これなら食べられるかなと思って…』


ふふと笑って月花もぱくりと口にした。


「……」

(月花様には…敵わないや……)


ユーリは身体を月花に近付けると
左手で月花のうなじを引き寄せた。


『…っユーリ…?』

「…ありがとう、月花様」


そう言って月花の額に
ちゅっと音をたててキスをした。


『……っ///』


月花の顔が赤く染まり、
慌てたように自身の額に手をあてている。


(可愛い……)


くすっとユーリが笑うと
月花の顔を下から覗きこむように
身体を屈めて上目遣いに月花を見た。


「そんなに可愛いことすると、
今度は月花様を食べちゃうかも」


ユーリの言葉に月花の顔はますます赤くなる。


『た……食べちゃうって……っ』

「俺の熱が下がったら覚悟しててよね」


そう言ってユーリは月花の頬にも
触れるだけの優しいキスを落とした。

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