ツインズ・ラブ
第18章 想いの人(Side神田)
「助けられたのに、身体が動かなかったんだ」
やっと話し始めてくれた。
「突然、司がこけて、ステージから落ちそうになっていたんだ。でも、助けようとして伸ばした手が動かなかった」
やっぱり、司は自分でこけたのか。大分、疲れていたから。そんな気はしていたんだけど。
「届かなかっただけでしょう。先生の責任ではないですよ」
無言で田中先生は首を振り、泣きそうな声で話を続ける。
「反応が遅れたんだ。すぐに動けば助けられたかも知れないのに。動けなかった」
震える身体が田中先生の葛藤を物語っている。
一瞬、司を助けるのを戸惑った邪な気持ちをもってしまった、自分自身が許せないのだと。
「もう吹っ切れたと思っていたんだ。でも・・・、ほんとうは未練があったんだ」
大粒の涙が田中先生の瞳からこぼれ落ちた。
やっと話し始めてくれた。
「突然、司がこけて、ステージから落ちそうになっていたんだ。でも、助けようとして伸ばした手が動かなかった」
やっぱり、司は自分でこけたのか。大分、疲れていたから。そんな気はしていたんだけど。
「届かなかっただけでしょう。先生の責任ではないですよ」
無言で田中先生は首を振り、泣きそうな声で話を続ける。
「反応が遅れたんだ。すぐに動けば助けられたかも知れないのに。動けなかった」
震える身体が田中先生の葛藤を物語っている。
一瞬、司を助けるのを戸惑った邪な気持ちをもってしまった、自分自身が許せないのだと。
「もう吹っ切れたと思っていたんだ。でも・・・、ほんとうは未練があったんだ」
大粒の涙が田中先生の瞳からこぼれ落ちた。