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「それとこれとは・・」
「一緒です」
　にこっと笑って言うと、観念したように田中先生が言った。
「わかった。でも、本当に自分で食べられるんだけど」
「たまには、人に甘えましょ」
　笑って告げると田中先生の瞳にじわっと涙が浮かんだ。
「いいんですよ、甘えて」
　涙を拭き取りながら、にこりと微笑んだ。
「・・・ごめん」
　謝りながらも涙を流す田中先生を見て、俺はお粥の入ったお皿をテーブルの上に置いた。そして、そっと田中先生を抱きしめる。
「そういうときには、ごめんじゃなくて、ありがとうですよ。先生」
「あ・・・ありがとう」
　そういう、田中先生の声が少し涙声になっている。
「どういたしまして」
　そう言った後、しばらくの間、俺はそのまま田中先生を抱きしめていた。

　その後、田中先生は食べさせてあげると言った俺の誘いを何度も断りながら、すっかり冷めてしまったお粥を自分で食べた。きれいに１人分のお粥を食べてしまった頃には、少しすっきりしたような顔をしていた。
「ほんとうにありがとな」
　そう言って微笑んでくれた顔がとても可愛らしくて、抱きしめたくなるのを我慢するのに苦労した。