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ツインズ・ラブ

第23章  怒濤の文化祭(Side葉月)

「それで、この忙しいときにわざわざ呼び出したわけ?」
 不機嫌な様子を隠さずに、神田が面倒くさそうな表情で言った。
「しかも、司に言うか、迷っているって?この俺に相談?」
 俺だって、こんなことしたくなかったよ。
 でも、司に言えなかった。考えても、考えてもどうして良いのか、わからない。なら、人に相談するしかない。
 そんなとき、事情を知っていて、相談できるのは、こいつしかいなかった。
「俺だって、神田に頼むのは筋違いだってわかってる。でも、司を傷つけたくないんだ」
 それは、お前だって同じだろ。
 司を傷つけたくないのは、俺もお前も一緒だから。
 司のためだって言えば、嫌でも手を貸してくれるはず。
「だから、相談にのってくれ。頼む」
 頭を下げると、神田は本当に嫌そうな顔をした。
「わかっていたけど、お前ってズルイ男だよな。そう言われたら、断れないってわかっていて、いっているだろ」
 その通りだ。でも、多分、神田は引き受けてくれる。
 

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