テキストサイズ

ツインズ・ラブ

第23章  怒濤の文化祭(Side葉月)

「お前、ほんとズルイ」
「司を泣かせたくないんだ。頼む」
「司以外なら、誰を泣かしてもいいってことにはならないんじゃないか」
 こんなことを言われるとは思わなかった。
 もしかしたら、神田は司の他に好きな人ができたのかも知れない。でも、多分、もう少し押したら、神田は引き受けてくれる。こいつは、なんだかんだと言っても、情にもろい。
「それでも、俺は自分の半身を泣かせたくない」
 司が一番大事。
 自分よりも大事だから。
 エゴイストだろうが、これが事実。
「ほんと、直球だな」
「変化球、嫌いだろ」
 駆け引きが続く。神田の視線が痛いくらい、まっすぐに俺にささる。
「まぁね」
 最初に視線をそらしたのは、神田だった。
「わかった。協力する」
 良かった。神田が引き受けてくれれば安心だ。さて、作戦会議。
 

ストーリーメニュー

TOPTOPへ