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ツインズ・ラブ

第24章 再会(Side 智則)

「会いにきてくれたんだろ?」
 わかってくれている。
 それが本当に嬉しい。
 何も言えず、ただ頷く。
「ありがとう。智則」
 葉月も僕に会えて、嬉しかったってこと?
 つい、都合の良い方に解釈してしまう。ただの社交辞令かも知れないのに。
「会いにきたんだ」
 やっと言えた言葉は、月並みな言葉だけ。
「電話でお別れなんて、納得できなくて、きちんと話したかった」
 涙がとまらない。
 あまり泣くと、目が腫れてしまう。これから、ステージに立たなければならないのに。
「これ以上、泣かないで」
 優しく微笑む葉月。
「目が腫れると困るだろ?」
 その言葉にただ頷く。
「智則」
 ゆっくりと葉月は僕の名前を呼んだ。悲しそうな顔。
 どうして、そんな顔をするんだ。

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