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ツインズ・ラブ

第27章 仲直りH (Side葉月)

 神田が何か吹き込んだのか。
 あの時(文化祭で司のサポートを頼んだとき)、あいつにはある程度の事情を話したから、俺が不在だった理由も大方検討がついていたんだろうけど・・・。
 余計なことを。
「確かに、椎葉さんとは、世間話とか、色々なことを1時間近くお話ししていたから、匂いもうつったかも知れないけど」
 なんと言おうか。
「二人っきりで話していたわけじゃないし」
 ウソも方便。
「ほんと?」
「そりゃあ、そうだろ。学生の俺が1人で会うのはおかしいだろ」
 誰と一緒に行ったのかは、とりあえず・・・ごまかそう。
「そうだよね」
「たまたま、移動中に乗ったエレベーターが混雑していて、椎葉さんと密着していたから、香りが移ったんだと思う」
「そうなの?」
 あからさまに嬉しそうな反応をする司に少し心が痛む。
「それに、あの時、誓ったよね」

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