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ねぇ、麻弘…

第1章 思い出

「いつまでもごろついてなさい。幸恵(ゆきえ)、着替えたらご飯にするよ。今夜はカレーライスだよ」

この母親の言葉に、麻弘は泣き止んだ。



「麻弘の好きなザンギあげる」

私はなんとかして、麻弘の機嫌を直そうと頑張った。

「…ありがと」

麻弘は、私から鶏のから揚げを一つもらうと、機嫌を少しずつ直していった。

この時はまだ、麻弘が、海の事故で亡くなるとは思いもしなかった。

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