テキストサイズ

ねぇ、麻弘…

第8章 麻弘から皆に別れの挨拶

祖母の話は長い。


いつだか、車に祖母を乗せて、墓参りに行った時、麻弘はおかしな事を口にしていた。

「ばあちゃん、もしかしたら、こうして一緒にお墓参りに来るのは、今日で最後かもしれないよ」

「なに言っているの。ばあちゃんは、そう簡単にはあの世には行かないよ」

そしたら、麻弘は、

「ううん、ばあちゃんじゃなくて、僕がもう来ないかもしれないんだ。ごめんね、今日で最後なんて……」

そう祖母に言った。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ