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ねぇ、麻弘…

第8章 麻弘から皆に別れの挨拶

麻弘が亡くなった7月に、母方の祖母が病院に入院していた。

祖母がベッドで横になっていると、ドアをノックする音がしたから、どうぞと声をかけた。

しかし、入ってくる気配はなかった。

数分して看護師が見回りに来たから、背がすらっとした男の子を見かけなかったか尋ねても、見かけなかったというのだ。

祖母が病院に入院していた事は、麻弘も知っていたが、病室までは知らない筈だったと言っていた。

不思議な事は起きるものだ。

もしかしたら、祖母にはいち早く、自分がこの世からいなくなる事を知らせたかったかもしれない。

祖母が不思議な体験したのは、麻弘が亡くなる2日くらい前だったそうだ。

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