テキストサイズ

ふわふわ堕天使のスルメイカ

第12章 年上×年下

その瞬間。


右手にふわっと温もりが。


その温もりに思わずドキンと胸が鼓動する。



「じゃぁ、行くよ?」


「う、うんっ!」



私は光の手をギュッと握って、視野が遮断された真っ暗な中を



「大丈夫?あと少しだから」


光の私を気遣う声。

木々の風に吹かれる葉音。

鳥の羽ばたく羽音。

鳥のさえずり。



それらを聴覚で感じながら

右手で光の温もりを感じながら


言われた通り、目を綴じたまま山の中を歩く事数歩。



私を誘導してくれてた光の足はピタリと止まった。



その瞬間、スッと右手から光の温もりも消え



「光………?」



目を綴じたままのせいもあって、一気に不安感が押し寄せたその時―――








「いいよ。目、開けてごらん?」










ストーリーメニュー

TOPTOPへ