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ふわふわ堕天使のスルメイカ

第16章 放さない・離さない

なんでここに拓ちゃんが…?



しかも、あれだけ私と拓ちゃんの接触を避けるように光は守ってくれてたのに…



「何…で?」



何で今、私と拓ちゃんを向き合わせたの…?



私は顔だけ後ろの光に向けた。


光は口元を弧を描かせながら立ち上がって、私の両肩をポンポンと2回叩いて



「本当は話なんてさせたくねぇんだけど。

でも、あのままだと蟠(わだかま)りが残るだろ?

それはダメだから。

あいつがずっと残る心愛はダメだから。


だから」




私をスッとベンチから立たせて、トンと軽く私の背中を押した。




「クリスマス。」


「……?」


「クリスマスに俺の返事、聞かせて?
それまであと3週間。じっくり悩め?バカ心愛!」



そう言うと光は優しい眼差しから、鋭い眼差しに変化させ




「心愛が嫌がるような事しないって約束しろよ。」


「……約束する。」


「今の言葉、覚えておくからな」




拓ちゃんに冷たく言い放ち、光は駅の方向へと消えて行った。











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