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ふわふわ堕天使のスルメイカ

第18章 触れた想い 2

そんな時。


「終わりましたよ」


先生に抱かれた子犬が診察室から出て来た。


先生に抱かれた子犬は病院に来た時とは少し様子が違ってて。



「この小ささだから寒さと飢えで衰弱してたけど、もう大丈夫!」



思わず、ニカリと笑う先生の言葉にホッと安堵の息を漏らした。

小さい小さい体なのに。

あんな雪の中、誰にも助けて貰えず倒れて瀕死になってた子犬の強い生命力を感じて

何だか目頭が熱くなった。



俺は、もう1度ここに案内してくれた彼女にお礼を言おうと彼女に視線を向けると



「あれー?泣いちゃってる?」



鼻を啜りながら、安堵の表情を浮かべ子犬を彼女はじっと見てて

思わずツッコミ。





「なななな、泣いてませんよっ!!」




どうやら、ズバリ図星だったらしい。





―――この時、ようやく気付いたんだ。



彼女がここに連れて来てくれた事も

彼女が子犬を抱いてようか?と言ってくれたことも全部



心から子犬の事を想っての発言だったんだ。



って事。










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