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ふわふわ堕天使のスルメイカ

第20章 拓ちゃんの心と私と・・・

「心愛?」


って。


拓ちゃんは優しく私の名前をいつものように呼んで

いつものように優しく頭を撫でて

いつものようにふわっと優しく微笑むけど



「何…で……」



私は、いつものように呼べないし

いつものように心は満たされないし

いつものように笑えない。




「拓ちゃん……狡いよ…」




拓ちゃんは狡過ぎる。



「何…で…?」


意味が分からない。



「何でそんな……」


そんなフリをする必要があるの?



「ちゃんと話が私はしたかったよ…?」


ちゃんと話す気で行ったのに。


「私だって怖かった。私だって平気じゃなかった。

私だって震えた。


私だって全然平気なんかじゃなかったよ?」



光に何度も励まされながらマンションまで来た。


マンションの前でもハンパなく心が震えた。

足が竦んだ。

顔が強張った。

本当に…本当に怖かった。


でも、ちゃんと話しなきゃ…


そう思ったから



拓ちゃんと“約束”したからって思ったから…






それなのに拓ちゃんは…・





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