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ふわふわ堕天使のスルメイカ

第20章 拓ちゃんの心と私と・・・

その瞬間



横から、ギュッと拓ちゃんの腕の中に包まれて。



「泣かないで…」



悲痛に似た声で、私の耳元で囁く拓ちゃん。


拓ちゃんの温もり

拓ちゃんの声に。


私の心がドクンと跳ねて、更に胸を締め付ける



拓ちゃんは何もかも狡過ぎる…。



ギュッてして欲しいと願った時は



“甘えん坊だねー。後でね?”



してくれなかった癖に

今になってギュッてするの?

狡いよ……。





「……いや…っ!」




私は両手で拓ちゃんの胸を押し退けるけど






「ごめん。心愛。」


「まだ好きで…ごめん」






そう、耳元で囁きながら、肩の骨が折れちゃうんじゃないかってくらい



拓ちゃんは、力いっぱい私をギュッと抱き締めた。







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