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ふわふわ堕天使のスルメイカ

第21章 愛の狭間で・・・

デコピンが思いのほかクリーンヒットしたのか…

じんじんと痛むおでこを、店長の靴を見ながら擦ってると


ポン


軽く頭に店長が手を乗せて1叩き。



「徳チャンはあんまり自分を考えないから。」


さっきまでのちょいちょいドスが効いた声色とは一変。

優しい声色の店長の言葉に


「え…?」


少し戸惑いながら、再度上目で店長を見上げる。

店長の表情は真顔でもなければ鬼の形相でもなく。

眉間に皺も無ければ眉も下がってない


凄く優しい笑みを浮かべた店長がそこに居て、思わずドキンと胸が鳴った。



「お前、いつだって“相手のために…”て思ってんじゃん。

それってすげー良い事だと思う。

誰かのために、なんてそんな事考えてる奴なんて減って来てる世の中だし。」


「でもさ、」


「?」




そこまで言うと、店長はいつものように私の頭を



「ちょっ、!!」



ぐしゃぐしゃに掻き回しながら一言。





「お前はお前自身を大切にしてやりな?

どっちを選んだにしたって、あいつらも徳チャンが幸せじゃなきゃ無意味なんだから。


だから、“自分が幸せになれる方”を考えな?」








……私が幸せになれる方……







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