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ふわふわ堕天使のスルメイカ

第21章 愛の狭間で・・・

クリスマスまであと2週間。

拓ちゃんも光も。

あの日、言ってたように本当に目の前には現れなくて。

拓ちゃんはその間、TV出演も控えてたみたい。


…だけど、そもそも有名な人。


普通にコンビニの女性雑誌の表紙に出てたりしてたから元気そうなのは分かった。


でも、光は当然の如く全く分からなかった。


ふと、星を見上げたり、公園の前を通ると

頭に浮かぶのは、彼の笑顔でもしかめっ面でもなく


昔から良く見てた、彼の綺麗な横顔。

そんな横顔を思い出してみたりしながら


元気にしてんのかなぁ…


とか思ったりするけど、未だ光に対する自分の想いは分からなくて。

まるで暗闇の中を迷走してるかのような状態。

出口もなにも見えなくて、ただ真っ暗な中を手探りで歩む感じ。


残り2週間しかないのに、自分の気持ちが分からない自分に対して苛立ちさえ募る。



「お前、バカだろ」


「へ?」



苛々してるのが“何でもお見通しの実”を食べた店長に見透かされたようで



「頭で考えず心に聴けっつってるだろうが」


「イデッ!!」


ペシッ!と溜息吐きながら叩かれた。



けど、




「心に聴いて2週間。全く何も感じないんですもんっ」


「何、いじけてんだ。可愛くねぇな.。ブサイク」


「……ブサイクで結構ですよーだ」




心に聴いても何も応えてくれないんだもん。

焦るに決まってるじゃん。

苛々するに決まってんじゃん。








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