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ふわふわ堕天使のスルメイカ

第23章 St.Xmas

光の傍を通り過ぎた時。

光の香り…。

スカッシュの香りが鼻を掠めて、胸がギュッと握り潰されるような痛みが走った。



――でも。



今、ちゃんと行かなきゃ、もっともっと胸が痛む事になる。


誰も笑顔で居られなくなる。

誰も幸せじゃなくなる。



だから、私は行かなきゃいけないんだ。




腕を組んだり肩を組んだり。

仲睦まじく歩く恋人達を横目に走り抜ける商店街。


クリスマスソングが流れ、柊の葉や大中小様々な電飾で彩付いた街の中心を、とにかく走った。


時間的にはまだ間に合う時間。



だけど…。



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