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ふわふわ堕天使のスルメイカ

第23章 St.Xmas

「拓ちゃんも、今まで寄って来た彼女達、全員が“顔目当て”って決めつけてたでしょ?」


「いや…それは…っ「拓ちゃんも、その彼女達の“言葉”しか見てない。」



目を開いて、反論しようとした拓ちゃんの言葉を上から言葉を被せ、

そのまま言葉を拓ちゃんに向ける。



「拓ちゃんも全然見ようとしてなかった。そうでしょ?

拓ちゃんの価値を顔だけだと思ってた彼女と、顔だけだろ?って決めつけてた拓ちゃん。

どっちも相手の“心”を見ようとしてないんだも。

拓ちゃんも一緒だよ?」



拓ちゃんは。

最初に受けた傷が大きかったから。
最初に与えられた試練が彼には大きかったから、だから少し歪んでしまった。

“誰も俺なんて”

“顔だけ見て中身なんて誰も”

そう決めつけて生きて来た彼には仕方がなかったのかもしれない。



でも……

もう、これ以上そうやって生きててもいいことなんてあるわけない。

ちゃんと周りを見渡せば…

心を変えて、ほんの少し視点を変えてみれば



「もう、そういうのは…止めよう?」


「ッッ!!」



もっともっと…

私より拓ちゃんを見ててくれた人が、おのずと見えてくると思うから…。



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