テキストサイズ

ふわふわ堕天使のスルメイカ

第23章 St.Xmas

「拓ちゃん?」


「………ん?」


「まだまだ間に合うよ?」


「え……?」


「ちゃんと向き合って、ちゃんと自分を見なきゃ本当に後悔するよ?」



私、本当は気付いてたんだ。

拓ちゃんが、奥さんとお子さんの3ショットの写真を車のダッシュボードの中に大切に入れてる事。

普段

『取り巻きが作った物なんて食べない』

って、私が作った物以外は口にしなかった拓ちゃん。


だけど、私は知ってたんだ。


たまに冷蔵庫に入ってある、煮物やサラダ。

それはちゃーんと食べてるって事。



拓ちゃんは周りを見ようとしてなかったから気付かなくても無理はないのだけど。


だけど、本当に拓ちゃんが“欲しかった”【愛】は凄く拓ちゃんの身近にあったんだよ?


少し歪んでて、恋に対して少し不器用な拓ちゃん。




――それも、今日で終わり。



だから……




「私から拓ちゃんにとっておきのプレゼントをあげる!」



「……へ?」




私から、拓ちゃんにしてあげれるクリスマスプレゼント。







「パパ!」





ストーリーメニュー

TOPTOPへ