テキストサイズ

ふわふわ堕天使のスルメイカ

第24章 聖なる夜に・・・・・・

――――きっと。

映画や漫画。

ドラマの世界だと、ヒロインが扱けた瞬間、

『大丈夫か!!?』

なんて上手いタイミングでヒーローが寄って来るんだよね。

何でその場に?!
絶妙じゃんっ!!
キュンキュンさせやがってコノヤロー!

なんて感情になりながら視聴者は釘付け。


――でも、現実はそんなタイミングは良くない。

扱けた瞬間、パッとどこからともなく現れて。


『大丈夫か?』


なんて心配そうな表情を浮かべながら、そっと優しく抱きかかえてくれるようなヒーロー。

そんな人なんて早々現れるわけがない。



それは、今私が置かれてる状況にも当て嵌まる事。

実際、扱けて蹲る私に声なんて掛ける人なんて居なくて。

てか、こんな山中でその相手を探す事がそもそも難しい事なのだろうけど。



――なんて。



これまたどうでもいい事を考えながら、痛む膝を庇うように立ち上がろうとした




その瞬間―――。










ストーリーメニュー

TOPTOPへ