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ふわふわ堕天使のスルメイカ

第24章 聖なる夜に・・・・・・

ぬかるみにヒールが埋まり込んで、足を取られたせいで結構派手に転んだ。



「痛いぃぃぃ……」



ミニスカートから覗いてた膝小僧は、見事に擦り剥いで薄ら血が滲み始め、

扱けた時の音と私の声に反応したのか

バサバサと鳥が飛び立つ羽音。

カラスが嘲笑うように鳴く声。

ザザッと人をバカにしたように吹く北風。

じんじんと痛む膝を抱え、ヘタリと落ち葉の上に座り込んでる私をまるで

見下ろしながら揺ら揺ら左右に揺れ「ドジ!」と言ってるような木々を見上げてると



「うぅっ……」



痛みなのか何なのか、分からない涙が溢れ出て。

何の涙か分からない癖に

1度だけ吐く弱音をもう少し後にって言った傍から



「バカ……」


小さく言葉は漏れて。

1度、漏らすと我慢してた反動は大きすぎて





「光のバカぁぁ――――ッッ!!!!!!」





嘲笑う風も、バカにしたような木々も。

こんなとこで扱けて情けなくも泣いてる、いい歳した自分にも。

自分が決めた行動とはいえ、今、こうなってる状況にも。


全部全部の意味を込めて、一人称でやまびこが木霊するくらいの大声で弱音。

うん。弱音。

光って言ったけど、これは弱音で決して悪口じゃない。



なんて、どうでもいい事を心の中で弁解しながら

1度ヘタリ込んだ身体はそうそう直ぐには動かず、その場に疼くまる。





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