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ふわふわ堕天使のスルメイカ

第24章 聖なる夜に・・・・・・

ゆっくり。

震える心を抑えながら、ゆっくり顔を右方向に向けると。

スカッシュの香りと共に、



「……光…?」



まさかの光の、綺麗な横顔がそこにはあって。

逢いたくて逢いたくて。

探し求めてた人の横顔がそこにはあって。


「山ん中で叫ぶな、バカ」


ドラマみたいに優しい言葉なんて全然皆無で。



「ったく。俺よりどっちがバカだっつーの」


こういう時。

助けに来たヒーローは、優しく気遣うセリフをヒロインに向けるはずなのに



「扱けてんなよ。ダッセ―な」



そんな言葉は一切飛んでも来なくって。

いつもなら腹立つしムカつくし。

反撃すらするところなんだけど




「~~~ッッ!!

光ぅぅ~~~~~!!!」



「ばっ…、だから泣くなっつてんでしょーが!」




やっと逢えた嬉しさで、そんな事どうでも良くて。


光がもう、どこにも行かないように。

消えちゃわないように



「は、鼻水付くから離せ!!」



ギュッと力いっぱい、光を感じるように抱き締めた。






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