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ふわふわ堕天使のスルメイカ

第24章 聖なる夜に・・・・・・

1人ドキドキしてるだけで、光は常にポーカーフェイス。


「ほら、早く行くぞ?」


って涼しい顔して、差し出してた手をブンブン縦に振る光。


……どっちが年上的対応なのか……。


完全にこの状況、私の方が年下っぽい。


真っ赤な顔のまま、何だかそのまま差し出された手を握るのは悔しくて。




ギュッ。




「は?」


「は、早く行こ!!」


「ふーん?」




…さっきの“おまじない”が本当に効いたのか。

はたまた、膝の痛みを忘れるくらい自分がドキドキしちゃってるだけなのか。

光に逢えた事で、何だかんだ有頂天になっちゃってるからだろうか。


膝は全然痛みを伴ってなくて。



「そんな飛ばして大丈夫なのか?」


「ふんっ!今まで飛ばして来たんだから大丈夫だし!」


「……扱けて泣いてた癖に。」


「………」


「おい?無視?」


「…………」


「どんだけ無視しても泣いてた事には変わりねーから」


「うっ……」


「バカだな、あんたはホント。」



今や、光の“バカ”が褒め言葉にさえ思えてくる。

そんなやり取りをしつつ

私は光の“小指”を離す事なくギュッと握って



2人で山道を登り始めた。






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