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ふわふわ堕天使のスルメイカ

第28章 番外編 ②

勝者は、どんどん幸せへと突き進む。


彼女の笑顔は元より。

彼女の時間、彼女の人生をも手に入れたアイツ。



闘う事さえも諦めた俺は……



指を咥えながら、アイツの“立ち位置”を恨めしく思う事しか出来ず。


ちゃんと“敗者”にさえ成り切れてない俺は…


彼女が結婚して、姓を変えてもまだ尚、彼女への気持ちが消える事はなく



ただ、ただ、無意味に俺の胸の中に居座る彼女。




「お前も、そろそろ断ち切った方がいいと思うぞ?」



コトンとカウンターに2本


ブルーマウンテンの缶コーヒーを置いて、苦笑する夏目。





「お前が言うか?そのセリフ」





………言われなくたって分かってる。




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