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ふわふわ堕天使のスルメイカ

第7章 成り立たない【倖】

そんな私に軽く溜息を吐いて、私の顔すれすれに自分の顔を近付ける。



そして



「何で、あんな奴のために苦しんでんの?」



「……え」



「あんな奴のために泣くなよ」



さっきまでの冷たい声色からは一変。



何故か彼の声は苦しそうな切なそうな声色で。


そっと囁いたと同時にふわっと優しい温もりに包まれて、スカッシュの匂いが鼻を掠める。



咄嗟の事で一瞬思考がフリーズ。



だけど直ぐ、抱き締められてる事に気付いた私は彼の身体を押し退けようと両手に力を入れる。




でも






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