夢見るシンデレラ。
第3章 *魔法使い...
「あのババアか?
あいつに会ったのか?」
「初めは西田さんから聞いたの。
社長が体調崩した日があったでしょ?
大原さんは婚約者だから誕生日に行かないとマズいって。」
「・・・・・」
「その後、会長に会った時に直接・・・。
でも、私は嬉しいです。
こんな社長も人として素敵な道を進むんだもん。彼女さん、幸せにしてあげてください。」
「・・嬉しい・・・?」
「はい。とっても!」
言いきった。
私はこんな政略結婚みたいなことゴメンだけど、社長の住む世界では当たり前なのかもしれない。
「・・お前の本心なのか・・・?」
「本心も何も、使用人がご主人様の幸せを祝福するのが自然でしょ?」
「・・・・・」
「やだなぁ、社長・・!
私が嫉妬するとでも思ってたんですか?
それは社長の勘違いですよ!自意識過剰です!」
思いっきり笑ってみたけど、表情ひとつ変えない社長に少しだけ戸惑った。
それでも動揺を隠したくて、着替えを準備しようとした時ー・・・
「・・じゃあ、なぜ泣く?」
前を通り過ぎようとした時、グッと腕を掴まれた。