夢見るシンデレラ。
第3章 *魔法使い...
「ふぁ〜あ・・・」
「なんだよ。寝不足か?」
「んー・・・眠い。」
ハンディモップ片手に、何度もあくびを繰り返す美月。
しまいには目尻から涙が流れるほど。
「そんな夜遅くまで起きてるのかよ。」
ここ最近、毎日のようにあの公園で夜通し蓮さんと喋ってるからー・・
なんて、本当のことは言えないから黙っとく。
「あれ?まだ写真立ての中身ない・・」
「いいだろ、別に。」
「百華との結婚式の写真でも入れたらいいのに。 」
「お前、俺様に喧嘩売ってんの?」
「まさか。本気だよ。」
社長に背を向けたたまま答える。
今、目を見たら心を読まれそう気がするー・・・
「百華いい子だよ。
可愛くて、女の子って感じだし。」
「どうでもいい。」
「百華は社長とのこと本気だよ。
少なくとも彼女は結婚に対して前向きだから。」
「だから何だよ。」
「・・・・」
「あいつは本気で、お前は逃げんのかよ。
俺はお前の気持ちを知りたいのに・・・」
私の気持ち・・・
自分でもわからない。
蓮さんといると安心できて、時間を止めていつまでも一緒にいたいと思う。
でも、社長がこのまま結婚してしまったら、きっと私は大きな後悔に襲われる気がして怖かったー・・・