夢見るシンデレラ。
第3章 *魔法使い...
『美月・・、』
「ーー?」
『お父さんがね・・』
「・・どうしたの・・・?」
『死んじゃったって・・・』
ーーー
「いやぁぁあああ・・!!!」
ガバッと起き上がると、顔は涙でぐっしょり濡れ全身には嫌な汗をかく。
パパが亡くなったと警察から電話を受けた時のことが鮮明に夢に出てきた。
「っ・・はぁっ、パパ・・パパ・・・」
事故に遭ったパパの顔を見た時、現実として受け入れられなくて涙が止まらなかった。
冗談で寝てるんだと信じたかった。
声をかけても起きないパパがいつものいたずらをしてるんだと思いたかった。
「っ・・はぁ、はぁっ、・・!!」
苦しいー・・・
助けて・・・・
段々と呼吸が苦しくなり、これが過呼吸だと認識する。
「っ・・はぁっ・・・」
パパ・・・
パパ・・・
逢いたいよー・・・
『まな板!?
おい・・、大丈夫か!?』
ゴンゴンッとドアを強く叩く音がして、湊の声が聞こえてきた。
助けて・・・
助けて欲しいのに・・・・
ドアのところまで歩けないー・・・