
夢見るシンデレラ。
第3章 *魔法使い...
車で行けば10分足らずー・・・
今日はダラダラと歩いて30分はかかった。
「ふぅー・・・・」
丘までの長い階段を昇りきり、ふっと顔を上げると先約がいることに気が付いた。
あの後ろ姿・・・
「・・社長・・・?」
「ーー?」
ゆっくりと振り向いた社長の顔は、月明かりに照らされ涙ぐんでいた。
「・・何かあったんですか・・?」
「・・・・」
「社長・・、!!」
近付いたと同時に引き寄せられて抱き締められた。
「どうして・・・」
「ーー?」
「俺の何が気に入らない・・・」
何も言えなくなってしまった。
涙の理由は私だったー・・・
