夢見るシンデレラ。
第3章 *魔法使い...
「看護師になる夢、諦めたくないの。
このまま社長と結婚しちゃったら苦労知らずの、ただの玉の輿になっちゃう。」
「それの何がダメなんだよ。
人生楽した方が勝ちだろ?」
「それは違う。」
「ーー?」
「人生に勝ち負けなんてないよ。
最期に良かったって自分のことを褒めてあげられる人生を送りたいの。
だから納得がいくまで挑戦したい。」
挫折してコースから外れてしまったけど、自分の足でまた戻れる気がする。
「ここまで甘やかしてくれて心から感謝してる。だからもう少しだけ、私のわがまま聞いて欲しいの。」
パパが楽しみにしてた、私が看護婦になる姿ー・・・
見せることはできないけど、きっとどこかで応援してくれてるから。
「わかった。
美月の望みは何でも叶えてやるって言ったもんな。」
「・・ありがと。」
「その代わり、後悔すんなよ?」
「ーー?」
「俺の気分が変わる前にプロポーズ断ってんだから。 」
軽く笑った美月
「あんたこそ、気分変わったら後悔するよ。ここまでして手に入れた女なんだから。」
「・・わかってる。離さねぇよ。」
幸せって、こういうことなんだ。
心から温かくなって、ほっこりできる。