
夢見るシンデレラ。
第2章 *魔法の馬車...
『私は20年以上、西園寺家の使用人として働いてきました。』
「・・・・」
『その中で、今まで何十人という使用人を見てきました。』
「・・・・」
言われることはわかってる。
覚悟もできてる。
『しかし、あなたのような方に出会ったことはありません。初めてです。』
「ごめんなさい、私・・・、」
この仕事に向いてない。
性格的に人に尽くすことに不満なんて感じたことない。
むしろ、それに生きがいすら感じて看護師を目指してた。
でも、ここでは相手が悪すぎるー・・・
「・・私、辞めます。
ごめんなさい。」
言われてからじゃ遅いんだー・・・
松さんにこんなこと言わせるなんて、最後の最後まで迷惑かけられない。
「・・ごめんなさい・・。」
『美月さん、』
美月は松の言葉を聞かず、逃げるように部屋にこもった。
