夢見るシンデレラ。
第3章 *魔法使い...
改札を出て、閑静な住宅街を抜けて行くー・・・
「あっ、いい匂い・・!」
「ここ」
煎ったコーヒーのいい匂いがして、辺りを見回すとレトロなカフェを見つけた。
♪〜カランコロン...
『いらっしゃ・・・っ蓮!!』
「久しぶり」
カウンターに立つ女性は、緩く巻かれた長い髪を揺らしながらドアの方へと出てきた。
スラッとしたスタイルに、驚くくらい整った顔に唖然とした。
「コーヒーいいかな?」
『えぇ、もちろん。』
羨ましいくらい綺麗な笑顔を見せて、『どうぞ』と美月にも声をかけた。
「座ろう」
「あ・・、はい。」
『まさか蓮が私のコーヒーを飲みに来てくれるなんて嬉しい。
もう会いに来てくれないと思ってた。』
コーヒー豆を煎ってる彼女の言葉から、蓮さんとの関係を悟ってしまった。
『でも、そうやって新しい彼女連れてくる辺りが蓮らしくて憎めないんだけどね。』
微笑んだ彼女に含み笑いを見せた蓮がチラッと美月の顔を見た
「まだ俺の彼女じゃないんだ。
他に好きな奴がいるんだって。 」
「えっ・・・」
『あら、そうなの?』
運んできてくれたコーヒーからは、さっき感じた薫りよりも強くて香ばしい匂いが心を落ち着かせた。