夢見るシンデレラ。
第3章 *魔法使い...
『どうぞ。召し上がって?』
「いただきます・・・」
小さく頭を下げてマグカップを持つと、温かな香りとほんの少しの苦味が体に染みた。
「美味しいです!とっても!」
『そう。良かった。』
マイカップで残りのコーヒーを飲む彼女の左薬指に光るリングが無意識に目に入った
結婚してる人・・・?
『あっ、蓮!ちょうど良かった。
私買い出しに行かなきゃならないの。
留守番しててもらってもいい?』
「うん。ごゆっくり。」
『ごめんなさいね。
ゆっくりしてって?』
黒の前掛けを外すと、財布だけ持って出て行った彼女
その姿を美月は黙って見送った