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夢見るシンデレラ。

第3章 *魔法使い...





「あの店、風俗でしょ?」



「・・風俗っていうか・・・、」



「・・・・」



「そう言われればそうなのかも。」



「どうして?」



「・・・・・」



「湊と何かあった?」



「・・・うん。色々ね。」












コーヒーを一口飲むと蓮の顔を見ながら小さな溜め息をついた。














「うち、貧乏だから・・・。
社長みたいな人見てると腹立ってきちゃって、自分が余計に惨めに思えてくるの。」




「・・・・・」




「蓮さんもお金持ちだから、私みたいな庶民に興味ないかもしれないけど・・・



あなたたちの足元で、もがき動いてる人がここにいるの。お金って、そこまでしないと手に入らないものなんだよ。本当は。」













美月の言葉を、蓮は黙って聞いていた。















「社長にバカにされながら働くことより、風俗だろうと自分の力で稼ぎたいって思ったの。
お金で相手を捩じ伏せるあんな奴の使用人になるより、お小遣いの範囲で快楽を求める庶民の相手になりたいって純粋に思ったの。」












「それ、本音?」















恐かったー・・・





蓮さんには心が見透かされてそうで、俯いたまま顔を上げられなかった。
















「美月ちゃん・・・、」



「・・・・」



「俺は真実が知りたいんだ。
君の嘘に付き合うためにコーヒーを奢ってるんじゃないよ。」



「嘘なんか・・、」



「君が体を売る勇気を持ってるとは到底思えない。そんなこと出来る子じゃない。」



「できます・・!!」



「いや、できない。」



「できるもん!!蓮さんは私のこと何も知らないくせに・・!体売ることなんて簡単だもん!!」












ガタッと立ち上がった蓮に手を引かれ、壁に押し付けられて両手を頭上に固定された。





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