夢見るシンデレラ。
第3章 *魔法使い...
「ありがとな!」
「ありがとうございました。」
帰ってきたくもない屋敷に着くと、走り出した車に頭を下げる
目の前に宮殿のようにそびえ立つ屋敷を見れば、胃がキリキリと痛み出した
「入ろう」
「・・・・」
「どうした?」
「怒ってないの・・?」
「何を?」
「色々。」
その場で俯いて立ち止まった美月を見て、軽く溜め息をついた湊が優しく手を引いた
「今日はゆっくり休めよ。
話はまた聞くから。」
「・・・うん。」
散々ひどいこと言って自分から離れたのに、どうして彼は優しく接してくれるんだろうー・・・
いつもだったら頭ごなしに怒鳴って、それこそ人を物のように壊そうとするのに。