テキストサイズ

空の記憶~あなたと私と彼、それから~

第4章 第一話【空の記憶】~真実~ 

 でも。たとえ、それらのすべての何不自由ない恵まれた未来を棄てても、優しく見守ってくれた両親を哀しませることになっても。
 幸は、この男と一緒にいたいと思った。
「私は、亮平さんと一緒にいたい」
 ごく自然に、言葉が紡ぎ出されていた。
 それは、幸の心からの想いであった。
「お前、しかし―」
 亮平が信じられないという表情(かお)で呟く。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ