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空の記憶~あなたと私と彼、それから~

第5章 第二話 【めざめ】 旅立ち

 その後、幸は小さな町に住む両親に宛てて手紙を書いた。随分と心配をかけたが自分は助けられて生きていること、助けてくれた男の許で暮らしていることなどを打ち明けた。
 そして、亮平と結婚したことにまで触れ、自分は家を出るつもりだということ、親不孝な自分のことは忘れて欲しいとも書いた。最後に、許婚者であった進一郎にも心からの詫びを伝えて欲しいと結んだ。差出人は幸とだけ記し、幸の居場所を知らせるようことは何も書かなかった。

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