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空の記憶~あなたと私と彼、それから~

第5章 第二話 【めざめ】 旅立ち

「怖い―、いや!」
 亮平に背後から抱きすくめられ、幸は泣いて訴えた。
「お願い、許して」
「幸、一体、いつまで待てば良いんだ? 俺は半年も待ったんだぞ」
 流石に声に苛立ちが潜んでいる。既に世にも認められた夫婦でありながら、半年も気長に待ち続けた亮平の気持ちを考えれば、それも無理からぬことであった。亮平は幸を抱え上げると、布団に運んだ。そのまま膝に抱きかかえ、幸の顔を覗き込む。

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